あと一人から奇跡の同点打!! 阪神､珍アクシデントも勝ちあるドローで首位堅守

勝ちに等しい引き分けで阪神が首位の座を守った｡

中日との首位攻防最終戦は5時間21分の熱戦の末､2-2の引き分け｡
敗色濃厚だった阪神を救ったのは桧山だった｡

一点差で迎えた9回｡
中日のマウンドには絶対的守護神の岩瀬｡
阪神は二死走者なしのがけっぷちに追い込まれたが､藤川俊が右中間への三塁打で望みをつなぎ､球場のムードは一転｡
真弓監督はすかさず代打･桧山をコールした｡

｢藤川が三塁まで行ってくれたので､向こうも開き直ってくるだろうと思ったので､こっちも開き直って､初球から思い切っていきました｣(サンケイスポーツより)
と振り返ったように､初球の内角に食い込んでくるシュートを迷わず振り切った｡

ふらふらと上がった打球は､必至に飛び込んだ二塁手･岩崎達のグラブの先でポトリと落ちた｡

劇的な同点打で甲子園のボルテージは最高潮に達した｡

ベンチ入りの野手を使い果たした延長10回に､ブラゼルが審判への侮辱行為で退場となり､中継ぎ投手の西村が右翼守備に就くというアクシデントはあったものの､藤川､福原が粘り強く投げ同点のままゲームセット｡

試合後､真弓監督は､
｢一か八かでとにかく追いつこうと思った｡引き分けられて良かった｡投手(西村)がひとり守って､球児と福原がよく投げてくれた｣(スポーツ報知より)
とコメント｡
疲れた表情の中にも充実感を覗かせた｡

あと1死で首位陥落という絶体絶命のピンチを乗り越えた阪神｡
総力戦で掴んだ引き分けは､勝ちよりもチームに勢いを与えそうだ｡

(2010年9月10日)

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