池上彰の「ニュース解説」に捧げる信念・マスメディアへの不満とは?
12月29日、「そうだったのか! 池上彰の学べるニュース」で、視聴者に2009年に話題になったニュースを分かりやすく説明する、元NHK報道記者・池上彰。

ニュースを読み解く上での信念として「分かりやすく説明すること。それがジャーナリズムです」と考えている池上彰は、模型やモニターなど視覚的ツールを駆使し、言葉を噛み砕いて視聴者へ伝えていく。

「そうだったのか! 池上彰の学べるニュース」収録後、ある女性タレントはこう話していた。「何を聞いても答えてくれるんだもん」
ゲストのタレントからの質問にも一つ一つ丁寧に回答していく様は、視聴者からも好評だ。

では、日本ニュース時事能力検定協会理事も務める池上彰が今年一番印象に残っているニュースは何なのか。
『産経ニュース』が池上彰に10の質問を訊いている。

Q1 今年一番のニュースは?
「やっぱり、日米でのチェンジ(政権交代)でしょう」

Q2 大の読書好きとか。一番印象に残っている本は?
「今年では、『ライシャワーの昭和史』(講談社)。現在の日米関係を見ると、こんな駐日大使が今いたらなあと」

Q3 長い休暇がとれたらどうする?
「本を持って海外に行きますね。携帯もネットもつながらないところで読書ざんまい」

Q4 ぜひ、会ってみたい人は?
「ベネズエラのチャベス大統領。キャラクターもユニークで、いったいアンタ、何しようとしているの、と聞きたい」

Q5 朝ご飯の定番メニューは?
「昼前にトーストと紅茶、あとヨーグルト」

Q6 地方記者のときの一番の思い出は?
暴力団の事務所開きに行って、暴力団に囲まれた。一緒に行った新聞記者は、さっさと逃げていました」

Q7 生まれ変わったらどんな職業になりたい?
「やっぱりジャーナリスト。記者として取材をし、みんなに伝える仕事をしたい」

Q8 世の中で一番怖いものは?
「勘違いですかね。人間、誰しも自分のことを勘違いするのが一番いけない」

Q9 座右の銘は?
「ローザ・ルクセンブルクの『人は両端の燃えるろうそくのようでなければならない』。一生懸命、全力で生きないといけない、と」

Q10 いま一番欲しい物は?
「本をゆっくり読む自由時間」(以上引用)

池上彰が現在のようなニュース解説者という立場に目覚めたのは、NHKでキャスターだったとき。記者の書いた原稿が分かりにくく、歯がゆさを感じていたそうだ。

そんな時、池上彰の名を世に知らしめた『週刊こどもニュース』がスタートする。
11年間、"子供にも分かる解説"を常に念頭に置いてきた結果、それがライフワークとなったのである。

池上彰いわく、「"用語"を使うと、説明できた気になってしまう。新聞も用語だらけ。読者とかみ合わないまま、毎日発行されている」と言い、"政府"や"送検"など一般視聴者に馴染みのない用語は、言い換えることを心掛けている。

今後の抱負は「テレビ出演より、書き下ろしの本を出したい」と語る池上彰。ちなみにその内容は「現代史を分かりやすく解説するもの」だそう。
マスコミと視聴者の架け橋役である池上彰は、今後もテレビに引っ張りだこになりそうである。
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