ジャニーズ事務所がネット上での写真公開を厳しく制限している本当の理由とは?
(05/28)

ジャニーズといえば所属タレントの写真のネットでの公開を厳しく制限することで知られている。

同社の公式ホームページには、タレントのプロフィール写真はない。

ジャニタレが表紙となった雑誌についても、出版社のサイトには、その号だけ表紙が掲載されなかったり、人物部分が黒塗りされるなどの処置が施されている。

個人のファンサイトにも、このルールは及んでいるようで、昔からのファンは、写真をホームページに掲載してはいけないということをよく知っているという。

そればかりか、ファンが自警団的に、違反しているサイトに『削除してください』といったメールを出して注意することもあるのだとか。

またネット上のジャニタレの画像や文章などの無断使用を監視する、専門の会社もある。

どうしてここまでジャニーズは画像のネット流出に敏感なのか?

ジャニーズ事務所の代理人、のぞみ総合法律事務所の小川恵司弁護士がコメントした。

「原則として、本人の許諾を得ていない肖像は、どんな場所であろうが、どんな目的であろうが使用できないんです。ただ、今のところ、ネット上の肖像権侵害で裁判までいったケースはありません。これまでは、ジャニーズ側の要請をご理解いただいているということだと思います」

ネットの場合は、写真のコピーが技術的に容易で、タレントの権利保護が十分に図れないというケースが多いからだという。

本当に報道目的だけで使われ続ければいいが、実際には第三者の手によってコピーが拡散し、タレントが管理できない形で肖像が使用される可能性が低くない。

そのためには、入り口で、ある程度コントロールをしなければ、自分たちの権利は守れないと主張する。

また「本人の知らないところで自分の肖像が出回っているというのは不快であり、人格権の侵害に当たります」とも。

これは、一般人でもタレントでも同じ。

たとえば、CMは使用期間も決まっており、そこで肖像等の使用も終了する。

これらの使用期間が不明確になったとすれば、こんなトラブルもおこるという。

あるCMに出演し、その何年か後にライバル会社のCMに出ることになった際、ネット上で前のライバル会社の映像が出回っていたりしたら、それはタレント側も企業側も困る。

なるほど、めったにないこととはいえ、筋は通っている。

ほかにも、ネットには、タレントの肖像の経済的価値を毀損する危険性がいくつもある。

ジャニーズもネットは全面禁止というわけではなくて、セキュリティの問題や使用期間などを厳密に検討の上、権利保護ができると判断すれば、許諾することもあるのだとか。

事実、徐々にそういうケースは増えてきている。

確かにネットは画像使用などについては不法地帯であることに変わりはない。

今後、権利保護が進んでいけばジャニーズの姿勢も柔らかくはなるだろうか。(古田鉄寿)


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