大人には聞こえなくて、子供には聞こえるという「着信音」を知ってる?
(06/18)

大人には聞こえなくて、子供には聞こえるという「音」があるという。

ファンタジーやメルヘンの話ではなく、これは紛れもない現実の話なのだから驚く限りだ。

その音は、「モスキート音」と呼ばれているもの。

この音を開発したのは、2006年のイグ・ノーベル賞を獲得した、イギリスのハワード・ステイプルトンという人。

「モスキート」とは、一般的には「蚊」という意味。

ハワード・ステイプルトンが発明したのは、もともと17キロヘルツのブザー音を鳴らす高周波雑音発生装置で、この周波数の音は聴力が衰える20代後半以上にはほとんど聴こえない。

しかし、若年層には非常に不快なので街にたむろする若者を追い払うのに使われているという、独特の周波数の音なのだ。

ということで、この技術を使えば、教師など年配者には聞こえないが若者には聞こえるという携帯電話着信音ができるのではないかという逆転の発想が生まれ、「モスキート着信音」の発明につながっていくのである。

この着信音を使えば、授業中に携帯電話に電話がかかってきても、生徒には呼び出し音が聞こえるが教師には聞こえないという現象が生まれる。

このためにアメリカではこのモスキート着信音を教室内で使う若者が増え、社会問題にも発展しているというから、なかなかの発明だといわざるを得ない。

社会問題に発展しているのは、実はこの発明、若者が大人に対しての逆襲として発明されたかららしいのだ。

加齢とともに高音が聴きとれなくなることを利用して、不快なノイズで若者だけを追い払う装置があると書いたが、それに対して英国で若者側の反撃が始まった。

ある中学教師の言葉では、「授業中に生徒たちが何かを聞いて笑いだしたが、自分には何が起きているのか分からなかった」「あとで生徒に教えられて分かったが、機転を評価こそすれあまり怒る気はない」と、大人たちは白旗の様子。

では実際のモスキート着信音はどうなのか?

携帯電話の録音・再生機能や圧縮音源で本当に可聴域ぎりぎりの高音が伝わるのか疑問は残る。

しかし、実際に生徒たちが使っている機種が何かは不明とはいえ、mp3や一般的な携帯電話用スピーカでかなりの高音域が再生できることは確かなようだ。(古田鉄寿)


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