学校裏サイト､隠語ですり抜け監視に限界! ｢氏ね｣｢市ね｣誹謗中傷減らず…

(08/30)

生徒らが学校に関する問題を語り合うために設置した学校裏サイト｡
いじめの温床として問題視されはじめたのは2007年頃だが､いまだ解決には遠い状況だという｡
『産経新聞』が報じている｡

ネット監視大手会社と協力して､全国に先駆けて監視を始めた東京都教育庁｡
担当職員は早期発見の必要性を指摘する｡

｢書き込みを1分でも放置すれば転載が繰り返され､飽きられるまで無限に拡大する危険性がある｣(小沢哲郎主任指導主事:産経新聞)

また､これまでの対応の中で､一定の成果は見られたと主張する｡
2009年に発見された学校裏サイトへの書き込みのうち約13%あった誹謗中傷が昨年度は1.3%にまで減ったという｡

しかし､一方でその成果を疑問視する声もある｡

ネット監視は万能ではなく､監視できるのは誰でも閲覧できるサイトだけ｡
mixiや､モバゲーといった会員制サイトや､無料通話アプリLINEでのやり取りは､法律上監視できない｡
警察が捜査できないよう海外のサーバーを利用しているケースもあるという｡
監視の目が届きにくくなっているのだ｡

さらに､隠語が利用されてしまうと監視はさらに難しくなる｡
｢死ね｣なら｢氏ね｣｢市ね｣と隠語を使い､｢横浜｣なら｢木｣｢黄｣｢三｣｢兵｣と分割｡
ネットいじめは巧妙になり､悪質化しているとも言えそう｡

インターネットと教育に関するコンサルタントを行う｢全国webカウンセリング協議会｣はネットいじめの動向を発表｡
ここ数年も7千から8千件で微増傾向にあるというデータが出ている｡

子どもたちへの携帯端末への普及が一層進む近年｡
学校裏サイトでの誹謗中傷への対応は､間に合っていないというのが現状のようだ｡(古川)