五輪､レスリングが除外され韓国国技･テコンドーが残った理由は｢したたかさ｣!?

(02/25)

東京都が開催地に立候補している2020年夏季五輪の中核競技からレスリングが外され､世界中に衝撃を与えたのは記憶に新しい｡
アテネで開かれた第1回オリンピックにも採用された伝統競技が除外されたにも関わらず､IOCは理由を明らかにしておらず､判断基準も不明瞭のままだ｡
しかし､当初､"除外有力候補"は韓国の国技でもある｢テコンドー｣であったという｡
『週刊ポスト』が報じている｡

同競技は足技を中心とした格闘技で､韓国軍のトレーニングとしても用いられている｡
格闘技にとどまらず､スポーツ､エクササイズ､瞑想､哲学と多様な分野への開発が行われてきたことも特徴の一つだ｡
オリンピックでは､2000年から正式競技種目となっている｡
そんなテコンドーが採用されたのは､韓国が国を上げて普及に努めていたからだという｡

｢韓国はとにかく"国策"としてテコンドーを世界に広めてきた｡
それこそアフリカなどにまで指導者を派遣して､強引に各国の警察や軍隊に採用させた｡
競技人口は5000万人以上などといっているが､これはヨガなどのエクササイズも併用した道場の会員まで含め､水増しした数字といわれている｣(スポーツ紙記者:週刊ポスト)

韓国では､オリンピック競技化を目標に掲げ､テコンドーのスポーツ的な面白さ､分り易さを追求していったという｡
同じ時期に空手とオリンピック競技化を争っていたが､国家的な後押しもあり､1988年のソウルオリンピックでオープン種目として採用されるに至った｡

その後も､IOC委員に対する徹底したロビー活動を実施｡
2020年の中核競技に残るため､ロンドン五輪での成績不振もPRの材料に使ったのだという｡

｢韓国はロンドンでは1個しか金メダルをとれなかった｡
本音をいえば悔しかったでしょうが､その結果を"こんなに世界に広がって､実力が平準化している"というイメージ戦略に活用したんです｣(同)

転んでもただでは起きない､したたかな対応が､今回の結果に繋がったようだ｡
逆にいえば､レスリングは伝統に胡座をかいてしまったのかもしれない｡
しかしながら､最終決定は今年9月｡
大逆転に向けて､レスリングの巻き返しに期待したい｡(石森)