大相撲秋場所 朝青龍4場所ぶり優勝で「ガッツポーズ」やっちゃった!?
横綱朝青龍(高砂部屋)が、本割で寄り切られた横綱白鵬と14勝1敗で並んだ優勝決定戦をすくい投げで制し、4場所ぶり24度目の優勝を飾った。喜びのあまり、厳重注意を受けた今年初場所に続き、土俵上で両手でガッツポーズ。
この日29歳の誕生日を迎え、北の湖と並ぶ史上3位の優勝回数とした朝青龍はまったく気にせず、勝利の美酒に酔いしれた。
込み上げる喜びを抑えきれなかった。
優勝決定戦を制し、土俵をゆっくりと下りようとする直前、両腕を高く突き上げ、西の花道脇を埋め尽くした観衆に応えた。
ガッツポーズといえば、今年初場所でも注意を受けたばかりだが、全くお構いなしだった。
相手得意の右四つを許して完敗した本割の失敗を、数分間で修正した。
決定戦では立ち合いすぐにつかんだ左上手が生命線になった。
出し投げで崩し、右を差して寄ると、右からのすくい投げで勝負を決めた。優勝24回は史上3位タイ。6度目の全勝Vは逃したものの、充実感に浸った。
「今場所は始まる前にけがでどうなるかと思っていたが、いい先生が見つかり、けがも治って、あとはみなさんの声援のおかげ。この場に立っているのが不思議な気持ちです」
優勝インタビューでは、素直な気持ちを吐き出した。
次の目標を問われても
「頭が真っ白。今の目標は何もない。けがを治して、いい結果が出ればいい」
と控えめ。
祝福ムードの復活優勝の陰で、気がかりなのは土俵上でのガッツポーズだ。
武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は
「やった?見てなかったね」
とはぐらかし、師匠の高砂親方(元大関朝潮)は
「理事長に申し訳ありませんと、帰ってきちんと謝ります」
と渋い表情だった。
28日には横綱審議委員会が開かれる。
既に、歌舞伎俳優の澤村田之助委員は「品位がなさすぎる」と批判しており、議題に上りそうだ。初場所の際に、武蔵川理事長は「次、何かやったら理事会にかける」と話していただけに、何らかの処分が下る可能性もある。
29歳の誕生日を自ら祝った朝青龍だけは終始ご機嫌だったが、打ち上げパーティー後、ガッツポーズについて
「やってしまってすみません。うれしくてやっちゃいました」
と弁解した。
おとがめなしとなるか、ケチがついてしまうのか。協会側の反応から目が離せない。
(2009年9月28日)
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