ヴォイス〜命なき者の声〜
[第2話]
東凛大学医学部の解剖室に、男性の遺体が運び込まれた。死亡したのは佐野秀一(坂田聡)、35歳。路上で生卵を持って死んでいた。刑事の大和田敏(山崎樹範)から報告では、急性の心臓死だと疑い事件性はないと考えていたが、妻の忍(鶴田真由)が「夫が急死するなんて信じられない」といっていたことから、解剖されることになったらしい。佐野は最近までアメフトの選手だった。01/19放送
解剖に先だち、佐川(時任三郎)は佐野の指先に感電した痕を見つけた。それを知った大己(瑛太)たちは死亡したときの状況を確認するために遺体発見現場へと向かうが、現場は感電の起こるような場所ではない…。
解剖の結果から、佐野は自宅で感電したことが判明する感電後気絶するも一時的に回復し、卵を買いに出かけて、家に帰る途中で心不全に陥ったと考えられた。
大己と亮介(生田斗真)は佐野の家を訪れ、忍から話を聞いていた。アメフトを辞めてから佐野は仕事をせずに家にずっといる生活をしていた。家でするといえば、テレビゲームばかり…。佐野が亡くなった当日、忍は勤め先の病院に出かける前に「私たちの結婚って、意味があったのかしら」といった言葉をいってしまったという。仕事に出かけたあと、いけないことをいってしまったと後悔したそうだ。謝ろうと思って帰宅するが夫は家におらず、流し台の前には結婚指輪が外されて置いてあったという。きっと怒って出て行ったのだろう――そう思った忍は、「帰って来たら謝ろう」そう決めていたが、そのまま夫は帰らぬ人となってしまったという。
佐野が忍の勤める病院にケガのために入院したのが結婚のきっかけだった。忍の仕事が終わると、当時、流行っていた、スティングやクレイマー・クレイマーなどのビデオを談話室で観たという…。
その後、佐川は大己が研究室の前ですれ違ったとき、「何かわかったか?」とたずねた。大己が「いえ」と答えると、佐川は「一度意識が戻ったとはいえ感電した佐野が卵を買いに行くのは、相当に困難な行為だったろう」といった…。
一方、佳奈子(石原さとみ)は佐野の指の爪に何かが付着していることに気づき、技官の蕪木(泉谷しげる)に協力を求め、爪に残っていたのは牛乳だったことがわかった。
様々な事実を頭の中でつなぎ合わせていた大己は、突然、研究室を飛び出した。
大己、亮介、佳奈子は忍のマンションをたずねていた。リビングに通された大己は、ビデオデッキの中から『クレイマー、クレイマー』のテープを取り出す…。大己は自分の気づいたことを忍に話し始めた…。
忍が仕事に出たあと、佐野はふたりの思い出の映画『クレイマー、クレイマー』を観ようとビデオのスイッチを入れた。しかし、普段使わないビデオデッキはコンセントを外してあった。そこで佐野はビデオデッキのコンセントを差し込もうとして感電してしまう。古いコンセントは漏電していたのだ。
一時は気絶した佐野だったが意識を取り戻すと、おもむろに「フレンチトースト」を作り始める。フレンチトーストは『クレイマー、クレイマー』の主人公が家族のために一生懸命作った料理である。料理を作るため、佐野は指輪を外して手を洗う。料理を始めたとき、卵がないことに気づく。そこで感電の影響で胸の痛みを覚えながらも卵を買いに出かけたのだ。しかし、家に戻る途中、佐野は路上に倒れこんでしまったのだ。
亮介が冷蔵庫の中をのぞくと、そこには牛乳にひたしたトーストの入った器の中に入っていた。さらに、大己は「佐野が就職活動をしていた」という同僚の話も忍に伝えた…。
大己たちが帰ったあと、忍は佐野が作り途中だったフレンチトーストを完成させる。それを食べながら夫のことを想い、ひとり泣いていた…。
なぜ感電して衰弱しながらも、佐野はフレンチトーストを作ろうとしたか。佐野と忍が一緒に『クレイマー・クレイマー』を観たとき、「フレンチトーストを自分にも作ってほしい」といっていたからだった…。
03/23
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第1話
東凛大学の医学部に所属する4年の大学生。
当初は心臓外科学ゼミを志望し、試験にも合格もしていたようだが、
なぜか法医学ゼミに所属している。
どうやら大学側の都合により配属が変わったようだ。
もちろん大己はこのことを不本意に感じている。
しかし、いざ法医学に触れてみると、社会が法医学を必要としていることを肌身で感じ、
その重要性と奥深さに魅了されていった。
鋭い洞察力の持ち主で、適職とも言える才能を発揮するが、本人にしてみればその自覚は全くない。
一方、私生活の方でも一見イケメン大学生なのだが、
本人が興味を持たない為、意外と女の子からの人気がない。
東凛大学の医学部に所属する4年の大学生。
この男、総合病院を経営する家庭に生まれた御曹司。
敷かれたレールに乗っていれば何不自由ない生活を送れるはずだった。
しかし、自分には荷が重いと感じ、父親が消化器内科医であることを無視して、
全く関係のない法医学ゼミに入ってしまった。
そんな彼も学校では人一倍明るいムードメーカー的存在。
とにかく女の子が大好きな男で暇があっては女の子に声をかけている。
なかでも玲子に憧れており、もっと仲良くなりたいといつも考えている。
大己とは昔からの親友で、互いが一番の良き理解者である。
東凛大学の医学部に所属する4年の大学生。
大学内でもトップクラスの才能の持ち主で、脳神経外科学ゼミの教授からスカウトがあった。
しかし、彼女は当初から希望していた法医学ゼミに入ることに。
彼女が法医学にこだわるのにはハッキリとした理由があった。
その理由とは、幼少の頃に亡くした母の死因が心不全だと医師から告げられたことに対し、
その死因に未だに納得がいっていないからだった。
親を幼い頃に亡くしていることから、気が強くなんでもバリバリこなすしっかりものである。
唯一苦手なことといえば家事全般である。
東凛大学の助教授として法医学教室を担当している。
温和でのんびりな佐川の下についても自分のキャラクターは変えず、
はっきりと物を言う性格の持ち主である。
もちろんその姿勢は学生に対しても同じで、常に学生とはクールに接している。
大学教員の中でトップクラスの美人だがなぜか未だに独身。
東凛大学の教授として法医学教室を担当している。
法医学に対する情熱は人一倍あり、学生たちには法医学の必要性を常に訴えかけている。
「亡くなった人の声に耳を傾ける」の意義なんとかして学生に伝えたいと日々奮闘中。
しかしひとたび研究室を出ると、その性格はおっとりで常にマイペースなゆったりとした時間が流れている感じの男でもある。
今年の新規ゼミ生5人には密かに期待をしており、その中でも大己の才能には誰よりも注目している。
東凛大学の医学部に所属する4年の大学生。
仙台の実家が歯科を経営していたことから、歯科の道に進むべく大学に進学したものの、
当時見ていた監察医の姿を描いた海外ドラマにハマり法医学の道へとシフト変更した変わり者。
今や“法医学オタク”と呼ばれるほどのこだわりを持ち24時間365日、法医学のことが頭から離れない。
しかしこう見えても意外と小心者で肝心な場面で逃げ腰になることも多い。
東凛大学の医学部に所属する4年の大学生。
医学部に合格するほどの頭を持ちながら、元暴走族のメンバーだったというイレギュラーな男。
過去に、羽井本人が関わっていない事件で犯人扱いされたが、その後の司法解剖の結果で羽井が無罪であることを証明された。
司法解剖の偉大さ気がついた羽井はこれを境に猛勉強を始め、医学の道を目指すこととなった。
そしてその努力が実り、今こうして医学部の学生として生活している。
元暴走族ということからやや気が荒いところもあるが、実は熱血家でアツいハートを持っている。
医学部での唯一の苦痛は『解剖研修』。
何度経験しても倒れそうになる。
南府中署に勤務する刑事の男。
彼が担当する事件の中で、遺体から不審な点や異常個所が見つかった場合に佐川に司法解剖を頼んでいる。
一見、冷静沈着で優秀な刑事に見える男だが、なかなか結婚しない玲子に対して「オマエは結婚できない症候群だ」などとあるまじき発言をして周囲の反感を買っている。
亮介の父親で、自身が経営する石末総合病院の院長を務めている。
将来、息子である亮介にこの病院を継がせようと考えていたが、その息子の反感を買い、
亮介はまさかの法医学ゼミに入ってしまった。
それでも貴之は何とかして後を継がせようとゼミを辞めるよう大学に圧力をかけ始めるのであった。
彰の母親で、普段は沖縄料理店「ちゅらちゃん」を営んでいる。
沖縄料理とはいうものの、メニューは自身の得意料理しか置かないというちょっと変わり者。
いつでも明るく、何に対しても首を突っ込まずにはいられない性格で店に集まる大己たちの会話に首を突っ込んではジャマ者扱いされている。
JASRAC許諾番号
6834131007Y41011
Blau
6834131007Y41011