トライアングル
[第2話]
サチ(広末涼子)が同窓会に出席したのは、亮二(江口洋介)がサチの母・清子(風吹ジュン)に「同窓会があること」を電話で伝えたからだった。サチの絵の個展に現れた亮二は、かなり前からサチの正体を探っていたことを話す。01/13放送
サチは佐智絵ではない。25年前、佐智絵が殺されたあと、葛城家に養女として迎えられたのだ。しかし事件があって精神的に追い詰められていた佐智絵の母・清子は、サチと佐智絵を混同し、今ではサチは佐智絵だと信じきっているのだ。幼女になったサチは、葛城家で生活をするために佐智絵を演じるしかなかった・・・。
一方、小学校時代の同級生・堀米(マギー)が強盗に襲われた事件は、急展開を見せていた。当初、舜(稲垣吾郎)や丸山(小日向文世)は、亮二が怪しいと思って捜査をしていたが、捜査を続けていくうちに、堀米には消費者金融に200万円の借金があり、借金返済のために事件を偽装したことが明らかになった。
亮二も堀米の狂言強盗に気づき、堀米の入院する病院を訪ねて追及すると、堀米自身が強盗事件は偽装工作だったと認める。さらに、最初から預かった原稿など最初からなかったと白状した…。
であったことを疑いの目を向けていた。盗まれたのは現金と、富岡(谷原章介)から預かったという原稿。事件の直前に堀米に会い、原稿を読ませてくれと頼んでいた亮二は明らかに怪しい。
ちょうどその頃、志摩野コーポレーションの社長・志摩野鷹也(堺雅人)が、サチの個展会場を訪れていた。志摩野(堺雅人)は、サチの絵画を購入したいと商談を持ちかけてきたのだ。「金持ちの道楽で、新進画家を発掘している」と話す志摩野だが、じつはだいぶ前から、サチの周辺や、25年前の事件について調査をしていて、サチの友人・真知子(市川実和子)にも近づいていたのだった。
サチは、志摩野や真知子とディナーの約束をするが約束の時間になっても現れなかった、心配した真知子と志摩野がサチの家を訪ねると、パニックを起こした清子がベッドに横たわり、かたわらには腕にケガをしたサチが…。
サチが家へ戻ると、清子が事件直前に娘が書いたという手紙を探していたそうだ。そのうちにパニックになり暴れたという。サチの腕の傷は、清子が振り下ろした白い陶器の花瓶によるものだった。
「大人になった あなたへ」と書かれた手紙は、佐智絵が事件に遭う直前に、学校の授業で、大人になった自分宛てに書いた手紙のことだった。「手紙を母(清子)が探し出したのは、男からの電話だった」と話すと、志摩野は、その男は「亮二」ではないかと考えた。
それから暫くして、大田西署に志摩野の秘書が訪れる。たまたま、そばを通りかかった舜に、秘書は志摩野の名刺を差し出すと「サチの身辺を探るようなことはやめてほしい」と、亮二宛てに伝言をするのだった。
「志摩野?何やつじゃ?」初めて聞く名前だった亮二は、舜と一緒に、志摩野の会社を訪ねる。
志摩野は、亮二と舜にサチの生い立ちを話し、「サチが佐智絵の身代わりとして得た幸せな生活を、どうか壊さないでほしい」と訴えた。そして亮二に対して「25年前の事件を掘り返すのはやめてもらいたい」と念を押した。
一方、サチは自宅で佐智絵が書いた「大人になったあなたへ」と書かれた手紙を発見する。ためらいながらも、手紙を読んだサチは明らかに動揺していた。そこに電話が…。
「手紙は見つかりましたか?」。
サチは電話の男に呼び出される。街を歩くサチを見かけた亮二は、サチを尾行しはじめた。歩道橋の上、指定された場所に到着したサチ。少し離れたところで様子を見ていた亮二だったが、怪しい男がサチを目指していることに気づく。サチまであと少しのところまで来た男はナイフを手に、サチに襲いかかろうとする。危険を察知した亮二はとっさにサチをかばうと、男のナイフが亮二の体に突き刺さった。
ナイフを亮二の体から抜くと、男は慌てて逃げ出す。
痛みを堪えながらもサチに微笑みかける亮二だったが、次の瞬間、亮二は地面に倒れこみ、静かに目を閉じた。
亮二の背中に回したサチの手のひらには、真っ赤な血がベットリと付いていた。
我に返ったサチが亮二の体を揺さぶるが、亮二は倒れたままだった…。
――大人になった僕へ。
僕は子どもだから、今はどうしていいか分からないけれど。
きっと悩んでいると思うから、大人になったら助けてあげてください。
佐智絵ちゃんを助けてあげてください。
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第1話
キャスト
郷田亮二 / 江口洋介(えぐちようすけ)代々開業医を営んできた郷田家の次男として生まれてきた男。
そんな彼にはあるトラウマがあった。
そのトラウマとは今から25年前、初恋の同級生が殺された事件の第一発見者になった亮二は、
恐怖に怯えその場から逃げだしてしまったことだった。
自分は事件から逃げてしまった…。
その後、事故で亡くなった長男の代わりに郷田家を継ぐべく医者になった亮二だったが、事件が時効となったのをきっかけに彼の中で何か新しい感情が芽生え、
突如として医者を辞め国際警察の一員となるために家を出てしまった…。
果たして亮二が国際警察官になることを決めた本当の理由とは一体…。
黒木舜 / 稲垣吾郎(いながきごろう)
西署で働く若手の刑事。亮二が日本で行動する際の相棒でもある。
刑事になった理由は子供の頃から正義感が強いと自覚していたから。
他の刑事と違ってノンキャリアだが、仕事にかける情熱は人一倍ある。
サチ / 広末涼子(ひろすえりょうこ)
日本を活動の拠点にしながらも、国内のみならず海外からも高い評価を得ている画家の女性。
郷田唯衣 / 相武紗季(あいぶさき)
国際警察として活動する亮二の妹。唯衣自身は幼かった為、25年前に起こった事件のことは全く覚えていない。
しかしトラウマを抱えながら生活をしている亮二にとっては、唯一本心で話すことができるかけがえのない存在である。
家族とあまり関わらない亮二と家族を結ぶ鍵のような役割も彼女が務めている。
志摩野鷹也 / 堺雅人(さかいまさと)
サキのことを影ながら見守る謎の男。その正体のサキを見守る理由は不明。
富岡康志 / 谷原章介(たにはらしょうすけ)
亮二の同級生の男で、現在は出版社に勤めており編集者として活躍している。
秋本了 / 佐々木蔵之介(ささきくらのすけ)
亮二の同級生の男手、現在は建設会社に勤めている。
会社ではエリート街道に乗っており、今回、上海支社の運営を任された実力者である。
丸山慶太 / 小日向文世(こひなたふみよ)
舜の同僚で先輩の刑事。まだまだ経験の浅い瞬のそばに立ち、刑事としての働きを指導している。
少女殺害事件に関する情報を持っているかもしれない男。
葛城均 / 大杉漣(おおすぎれん)
25年前に起こった少女殺害事件の被害者・葛城佐智絵の父親で葛城清子(風吹ジュン)の夫である。
葛城清子 / 風吹ジュン(ふぶきじゅん)
25年前に起こった少女殺害事件の被害者・葛城佐智絵の母親。
最愛の子供を亡くした直後、逃げるように大阪へと暮らしを移した。
黒木信造 / 北大路欣也(きたおおじきんや)
警視庁刑事局刑事部捜査一課の警視正を務める男。
25年前には“葛城佐智絵殺害事件”を担当していたが、上司の意向により捜査が打ち切り。
それから数年後、信造は異例の大出世を果たした。
この出世がもしかするとこの事件と何らかの関係があるのかもしれない。
ちなみに新人刑事・黒木瞬の父親である。
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