臨場
[第5話]
元サッカー選手の松川(友井雄亮)の婚約会見がテレビで流れた。その会見をテレビで見ていた“かおり”(小島可奈子)は、大声を上げた後、涙を流す…。05/13放送
今回検視したのは、昔、すごく人気があったアイドル十条かおり。遺体は自宅マンション裏、自室のベランダの下で発見された。
飛び降り自殺のように見えるが、倉石(内野聖陽)の見立ては他殺。仏の転落位置が建物と近過ぎること、腕に接触外傷、かおりの唇周辺に焼けただれたような痕(火傷痕)などが根拠だ。口周辺のただれた痕はクロロホルムが使用されたものと断定された。
捜査一課・立原(高嶋政伸)は捜査本部を設置し捜査に乗り出した。
聞き込みの結果、かおりは事件のあった日、かなり落ち込んでいたという証言を得る。元恋人で元サッカー選手の松川が、テレビで婚約発表をしたのだ。
かおりの手帳を見ると、死亡日の欄に「22時 M。」と書かれていた。どうやら夜10時に誰かと会う約束をしていたらしい。
かおりが所属している事務所のマネージャー(佐藤正宏)の話では、元恋人・松川の婚約で相当ショックを受けていたらしい。なんでも松川は二股を掛けていたようだ。以前のような人気もないのにいつまでもスター気取りのかおりに、大西も事務所も相当振り回されていると、グチをこぼす大西。事務所にとって、かおりはお荷物になっていた。
死亡日にかおりが誰に会う約束をしていたのか、大西は心当たりがないという…。
その頃、倉石はかおりが着ていた白いブラウスの袖口に茶褐色のシミ、背中にオレンジ色の粉が残っていたことが気になって調べていた。クリーニング店でそのブラウスを見せると、シミはコーヒー、粉はユリの花粉だとわかる。
かおりはインタビューでコーヒーが嫌いと答えていたらしい。いつ、なぜ、コーヒーのシミがかおりのブラウスに付いたのだろうか。
それにユリの花など、かおりの家にはなかった。
かおりの部屋を調べると、ベランダから元恋人・松川の指紋が検出される。
そのことを松川に確認すると、確かに事件当日の夜11時ごろ、松川はかおりの部屋へ行ったという。しかし、松川が訪ねたときには、既にかおりは死んでいたと、松川は言う。
さらに松川は、かおりと10時に会う約束などしていないと主張する。
そんな中、東京地検の早乙女検事(小木茂光)が立原たちにプレッシャーをかけてきた。「指紋だけでは逮捕に持ち込めない」と立原は反論するが、早乙女は、話題が集まっている事件を速やかに解決して世間にアピールしたいと目論んでいた。
一方、松川の婚約者・木山美保とかおりは知り合いだったことを立原らは突き止める。
立原が午後10時のアリバイを木山美保に尋ねたところ、木山は動揺した様子を見せる…。
「木山美保のアリバイを洗え。彼女のイニシャルもMだ」立石は部下に指示を出した。
捜査を続けるなか、クロロホルムが松川の自宅付近の目黒西中学校から消えていることが分かる。盗難事件は事件の前日に起きていた。
立原らは早乙女の命令で松川の自宅を家宅捜索する。クロロホルムの小瓶とそれを湿らせたハンカチが見つかった。
しかし、松川は全く知らないという…。
ガサ入れの結果を聞いた早乙女は立原に「松川を逮捕するよう」急がせる。
しかし、立石にはふに落ちない点があった。もし、松川が本当に犯人なら、犯行に使用したクロロホルムを犯行後も自宅に置いておくだろうか、という点だ。それに、倉石がコーヒーのシミにこだわっているのも気にかかっていた。
立原は、未だ逮捕に踏み切れないでいた。
すると早乙女は、直々に小松崎刑事部長(伊武雅刀)に圧力をかけてきた。小松崎は立原に対して「明日までに松川を無実とする証拠を見つけなければ、捜査から外す」と命令する。
立原は必死に「コーヒーの痕」について、飲食店の聞き込みを始めた。
しかし事件当日の夕方、かおりを見たという店がなかなか見つからない。
松川を逮捕する日、警視庁の食堂には小松崎刑事部長と早乙女検事が一緒にいた。
そこに立原が現われる。
「今まで誤認逮捕をしたことがないのが私の誇りでした。けじめをつけます」立原はそう言うと小松崎刑事部長に「辞表」を提出して立ち去ろうとしていた。
そこに今度は、倉石が現われる。
倉石は早乙女検事の前の席に座ると「失礼します」と一礼してから、自分のコーヒーをこぼして見せた。コーヒーはテーブルを伝って早乙女検事のワイシャツの袖を汚す。そのコーヒー痕は、まさに、かおりの袖についたコーヒー痕と一緒だった。
「やっぱり、かおりは誰かと一緒にいたんだ――」倉石はそう告げる。
その頃、聞き込みにあたっていた捜査官たちが、事件当日、かおりが男と一緒にコーヒーを飲んでいるところを目撃したお店を発見していた…。
早乙女検事の指導のもと、松川が逮捕されようとしていた。
その時、立石が駆け込んできた。
「待ってください。犯人は他にいます」と。
この事件の真犯人はマネージャーだった。
マネージャーはギャンブルにハマり、会社の金に手を付けた。しかし、このままでは会社にばれてしまう。そこでかおりに金を借りたのだった。ところが松川の婚約会見を見たかおりは、「人生をやり直すために金を返してほしい。返さなければ会社にすべて話す」と言われてしまったのだ。それで「殺すしかない」と思ったという。
目黒西中学校の先生はマネージャーの交際相手で、言われるがままにクロロホルムを学校から持ち出したという。
マネージャーがかおりの部屋へ行くと、机の上に松川のアパートの鍵があることに気づく。今日、松川に返却しようと置いてあったものだ。
マネージャーはクロロホルムでかおりを気絶させるとベランダから下に落とす。その後、松川の鍵を盗んで、クロロホルムとハンカチを松川の部屋に置いてきたのだった――。
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キャスト
倉石義男 / 内野聖陽(うちのまさあき)警視庁刑事部鑑識課の検死官。死体の目利きに関しては他の追随を許さないほどの鋭さを持ち、わずかな傷跡や証拠の矛盾も指摘する。口癖は、他人の見立てに対しての「俺のとは違うな」。組織にとらわれない豪放で破天荒な性格で、上司にも平気で楯つくため、上層部からは疎まれがちだが、一方で信奉者も多い。
趣味はガーデニングと家庭菜園。かつては結婚していたが、離婚してからは独身のままでいる。
小坂留美 / 松下由樹(まつしたゆき)
警視庁刑事部鑑識課の検視補助官。元は交通課で白バイ隊員として、真面目に働いていた。引き逃げ事件で倉石と知り合い、彼の犯人逮捕に導いた見事な見立てと、死者を身内のように悼むその仕事ぶりに惹かれ、倉石のもとで働きたいと志願の末、検視補助官へ。本気で検視官を目指しているため、一ノ瀬の態度が気に入らないでいる。
立原真澄 / 高嶋政伸(たかしままさのぶ)
警視庁刑事部捜査一課の管理官。捜査一課の精鋭チームを率いており、敏腕捜査官として過去に数々の難事件を解決している。倉石とは同期で互いに力を認め合っているはずだが、常に対立しており、典型的な倉石の存在を疎ましく思っている幹部の一人となっている。
小松崎周一 / 伊武雅刀(いぶまさとう)
警視庁刑事部刑事部長。倉石や立原の上司。厄介者ではあるが、確かな見立てをする倉石を買っており、倉石を移動させろという圧力にも屈服せずにいる懐の深い上司。
一ノ瀬和之 / 渡辺大(わたなべだい)
警視庁刑事部鑑識課の検視官心得。一流大学を卒業後、警察官になり、準キャリアとしては異例の早さで出世する。その後、捜査一課の立原管理官から“検死官心得はエリートコースだ”と勧められ、現在の部署へ。万事をそつなくこなし出世欲も強いため、この役職に長居するつもりもなく、その態度が小坂からは疎まれる。しかし、倉石と関わることによって、人間的な変化が徐々に生じていく。
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