相棒season8
[第18話]
03/03放送

初老の男性・西島(うえだ峻)の他殺体が山中で発見された。
右京(水谷豊)は風邪をひいていると尊(及川光博)から聞いた伊丹(川原和久)は邪魔されなくていいと喜ぶ。

やがて、西島と同じアパートに住むジュン(東風万智子)が疑われ、彼女はあっさりと自供。
共犯者の戸倉(滝直希)も逮捕された。
伊丹は右京と尊に、刑事の武器は推理などではなく、勘と足だと自慢げに言う。

それを聞いた右京と尊は、秘かに微笑み合う。
一見単純なこの事件には、右京と尊がそれぞれ関わった2つの事件がからんでいた。
実は裏で二人が解決していたのだ。

──尊の事件は1日前のことだった。

右京の知人であるアパートの大家・遠山(前沢保美)から警察に電話が入った。
風邪をひいている右京に代わって、尊が出向くと、住人の美保子(山田キヌヲ)が結婚詐欺に遭ったという。
美保子は自殺まで図っていたが、金銭的な被害はなく、結婚詐欺には当たらない。
警察には介入できないと尊が言うと、美保子は相手を呼び出して決着をつけると言う。

尊は仕方なく立ち会うことになるが、そこに現れた相手の男は戸倉だった。
戸倉から別れを切り出された美保子は隠し持っていたナイフで襲いかかり、尊が制止。
戸倉はお詫びだと言って、美保子にネックレスを差し出す。それは西島から奪ったものだった。
そんなことはまだ知らない尊が高級品だと言うと、美保子はそれを受け取る。

翌日、尊のもとに遠山から電話が入り、戸倉が美保子からネックレスを奪い返していったと言われる。

その直後、伊丹はジュンと戸倉を逮捕し、自供を得ていた。
ジュンは戸倉と夜道を歩いていた時、ネックレスを落としたことに気づいたらしい。
そこにネックレスを持った西島が歩いてきて、戸倉は返せと詰め寄った。
これは渡せないと拒んだ西島は戸倉に激しく殴られ、死んでしまう。
だが、そのネックレスはジュンのものではなかった。
二人は犯行隠蔽のため、西島を山中に埋めたのだという。

──右京の事件は、尊の事件のさらに1日前のこと。

緑(ふるたこうこ)という主婦が祖母の代から譲り受けていたネックレスが盗まれたという。
他のものには手を付けず、その高級品だけ盗んでいったことから目利きの人間の犯行と思われた。

捜査に出向いた右京の前に、緑の幼い娘で、風邪をひいていた梢(山田海遊)が現れた。
彼女は両親が自分で失くしたものを盗まれたと言っているだけだと告げる。

右京はネックレスを売りに来た人間がいないか、貴金属店の聞き込みに行く。
それらしき人間がいたと分かり、監視カメラの映像を見せてもらうと、西島が映っていた。
西島はネックレスが高級品だと分かると「返さなければ」と言って、売らずに帰ったという。

右京は西島が住んでいたアパートに行くが、大家の遠山から行方不明だと言われる。
その帰り際、右京はジュンに遭遇。
西島について尋ねるが、ジュンは「ほとんど付き合いがなかった」と答える。
行方不明とは言っていないのに「なかった」と過去形で答えた彼女を右京は不審に思った。

警察が来たことに恐れをなしたジュンは戸倉に電話。
戸倉はネックレスなら手切れ金代わりに女にやってしまったと言う。
それを聞いたジュンは取り返すようにと指示した。

──その後、西島の遺体が発見され、事件の関連性に気づいた右京は尊とともに捜査を始める。

右京と尊がジュンの家に行くと、逃亡のために荷造りをしていた。
二人の追及を受けたジュンは犯行を認める。
だが、自分は戸倉を失いたくないが、身寄りのいない西島が死んでも誰も悲しまないと言う。

それを聞いた右京は、梢と西島の話を始める。

病弱で部屋にいた梢はいつも窓から、通りすがりの西島の姿を見ていた。
西島も彼女に気づき、元気になるようにと励ましてくれていたのだ。
梢はそのお礼にと母親のネックレスを盗み、西島に差し出した。
子供のおもちゃだろうと受け取った西島だが、貴金属店で値段を聞いて驚く。
返しに行こうとしたところで、ジュンと戸倉に会い、殺されてしまったのだ。
西島は孤独ではなかったと右京から言われたジュンは深く反省する。

その夜、ジュンのもとに伊丹らが現れ、彼女は逮捕された。
そこにネックレスを拾ったという人間が現れ、伊丹に差し出す。
それは事件の日の夜、ジュンが失くしたものだった…。

事件解決後、たまき(益戸育江)の店で右京と飲んでいた尊は風邪をひいているようだった。
右京は梢から移されたのかも知れないし、尊はその右京から移されたのかも知れない。
誰と誰がつながっているか分からないものだと、右京とたまきは笑い合う。
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キャスト
杉下右京 / 水谷豊(みずたにゆたか)
特命係の係長。
周りからは変人扱いされることも多い。
抜群の名推理で、次々と難事件を解決している。
亀山薫(寺脇康文)がいない今シリーズから、神戸尊(及川光博)と新コンビを結成。


神戸尊 / 及川光博(おいかわみつひろ)
警察庁警備局警備企画課・課長補佐(警視)として順調に出世をしていた人物。
しかし突如上層部の命令で特命係の杉下右京の実態を調査することになった。
二階級特退し警部補となり、警視庁・特命係へと島流しされる。
上司に盾は突かないが、しっかりと意見は言うタイプ。
スポーツカーを乗り回している(運転は乱暴)。
遺体を見ることは苦手。
小野田公顕 / 岸部一徳(きしべいっとく)
警察庁の超大物幹部。
特命係の誕生に関わっているらしい。
警察庁の幹部としては型破りな存在で、表立って捜査ができない事件などを特命係にさりげなく持ち込んでくる。

宮部たまき / 益戸育江(ますどいくえ)
右京の元妻。
小料理屋「花の里」を営んでいる。
離婚後も右京に安らぎを与える存在。
事件にはまったく無関心の彼女の言葉が、ときには事件解決のヒントとなることもある。
米沢守 / 六角精児(ろっかくせいじ)
抜群の腕をもつ鑑識。
右京らの難しい要求にも応えてくれる。
趣味は落語(右京と同じ)で、右京とは落語のCDを貸し借りすることも。
捜査一課よりも先に鑑識結果を教えてくれることもあるくらい特命係に協力的。

角田六郎 / 山西惇(やまにしあつし)
よく特命係に油を売りに来ては、勝手にコーヒーを飲んでいる。
さりげなく捜査情報を提供してくれることもある人物。
担当は麻薬捜査である。
数少ない特命係の理解者でもある。
大河内春樹 / 神保悟志(じんぼさとし)
警視庁の内部で警察官の不正を捜査している。
無表情のまま身内を裁くため、冷たい男のように見える。
右京には一目置いており、密かに上層部の判断を事前に知らせて危機を回避させようとする。
伊丹憲一 / 川原和久(かわはらかずひさ)
警視庁刑事部捜査第一課所属。
特命係のことをよく思っておらず、邪魔者扱いする。

三浦信輔 / 大谷亮介(おおたにりょうすけ)
伊丹と同じく、特命係の動きが何かとカンにさわるようで良く思っていない。
だが、右京の才能は密かに認めている。
芹沢慶二 / 山中崇史(やまなかたかし)
伊丹と三浦の後輩で、2人に指示されて動き回っている。
彼にとっては元特命係の薫も先輩の一人だった。

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