旅立ち 〜足寄より〜
歌手・松山千春のデビューまでの道のり…
(2008/11/06)

昭和50年、札幌で開催されていたフォーク音楽祭に一人の男が遅れて現れる。パトカーで登場した彼は赤いニッカポッカにサングラス、そしてギターを抱えたいでたち。彼こそが当時19歳だった松山千春(大東俊介)である。あまりに奇抜な登場をした松山に対し観客席からは笑いが起こる。しかし彼は叫ぶのだった。
「お前らうっせえぞ!笑ってないで歌を聴け!」
松山は自身の「旅立ち」という曲を歌い始める。次の瞬間、観客たちは圧倒され、この曲に聴き入る。そして審査員席からそんな彼の姿を見つめる一人の男がいた。彼の名は竹田健二(萩原聖人)。ラジオディレクターをしていた彼は松山の非凡な才能に目を付ける。結局、松山は落選するも竹田はこう告げるのだった。
「いつかチャンスがくるから、その時までに作れるだけ曲を作っておけ!」
足寄に戻った松山は父の営む“とかち新聞”を手伝いながらやり場のない思いを音楽にぶつけるのだった。
一方で竹田は松山を世に出すための闘いが始まっていた。時代はポップス全盛期であり、松山のようなフォークは受け入れられないという理由で上層部はこれをなかなかOKしない。しかし竹田の熱意もあり、ついに松山のラジオへのレギュラー出演が決まる。松山の歯に衣着せぬ発言とその曲によって番組は好評となる。やがてデビューも決定。「旅立ち」は大ヒットとなり、足寄が生んだスター松山千春の名は瞬く間に全国に知れ渡った。
竹田は松山のデビューのために首をかけ、松山は他のどんな引き抜きにも耳を傾けなかった。そんな二人の固い絆はずっと続くものだと思っていた…。



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